IoTソリューションとは?解決できる課題や業界別の活用事例を紹介
IoTソリューションとは?解決できる課題や業界別の活用事例を紹介
新しい時代において、以前はインターネットに接続されなかった様々なモノが今やサーバー・クラウドサービスに接続され、相互に通信する「IoT」が広く活用され、より快適な生活の実現が期待されています。一方で、今現在、社会にどのようなIoTソリューションが導入されているのかについて、多くの方が知りたいと思われます。こちらの記事では、IoTソリューションの解説や実際の問題解決に対する具体的な活用事例をご紹介します。IoTが社会にどのような影響を与えるのかを理解する上で、参考にしていただければ幸いです。
目次
IoTソリューションとは
「IoTソリューション」とは、企業が直面する多種多様な問題を解決するためのシステム・ツール・サービスの総称です。
IoT技術の進化により、人間が現場でモノを直接操作せずに、ネットワークを介して遠隔操作が可能となりました。様々な業界で「IoTソリューション」の導入が進んでおり、今後もその普及が拡大していく見込みです。
IoTソリューションのメリット
ここからは、IoTソリューションの主なメリットを紹介していきます。
効率の向上につながる
IoTはデバイスやセンサーを介してリアルタイムデータを収集し、そのデータを分析することで、プロセスや作業の効率を向上させることができます。例えば、生産ラインのモニタリングや予防保守により、機器の故障を事前に検知し、生産停止を最小限に抑えることが可能です。
コスト削減につながる
IoTにより、機器やプロセスのモニタリングが効率的に行えるため、保守や修理のコストが削減されます。また、適切なタイミングでのメンテナンスや資産の最適利用により、コストを最小限に抑えることができます。
リアルタイムデータ解析ができる
IoTはリアルタイムで大量のデータを収集できます。これにより、迅速な意思決定が可能となり、ビジネスプロセスの最適化や問題の早期発見が行えます。
新しいビジネスモデルの創出ができる
IoTは新しいサービスやビジネスモデルの創出を可能にします。例えば、製品をサービスとして提供することで、顧客にとってより柔軟な利用が可能となります。
IoTソリューションで解決できる課題
インターネットに様々なモノを繋げることで、どのような効果が引き出されるのでしょうか?
IoTソリューションで解決できる課題に触れながら解説します。
各設備の稼働状況を一元管理して「見える化」する
少数の機器を管理する上では、人間の力でカバーできる可能性が高いです。
しかし、業務範囲が拡大して、多数の設備機器を管理する場合には管理する側に負担がのし掛かります。
管理機器がある場所を1台1台巡回しながら確認していく方法は、規模が大きくなると現実的ではありません。
各設備をインターネットに繋ぐことで稼働状況をセンサで監視、各機器の稼働情報をシステムに集約して一元管理することで見回りの頻度を最小限にすることが可能です。
製品の製造履歴をデータとして蓄積する
製品に不具合が発生した時に「どの部分に原因があったのか」をトレースできる仕組みがないと根本的な問題解決には繋がりません。
・いつ作業を行ったのか?
・どの製造工程か?
・誰が作業を行ったのか?
・どの部品を利用したのか?
上記のような情報を蓄積するIoTソリューションを導入することで、問題が発生した時の対策を取りやすくなります。
従業員の作業時間・作業時の気候をモニタリングする
会社の始業時・終業時に切るタイムカードをIoTの考え方を用いることで、従業員が「どの程度残業が発生しているか?」「休憩を確実に取得しているか」などを一元管理することも可能です。
また、作業時の気候もデータとして蓄積していくことで、「水分補給が必要であるか」「作業を行う上で危険な温度・気象状況ではないか」を判断することもできます。
労働環境を適正に管理していく上でも、IoTソリューションは欠かせません。
IoTソリューションの業界別の活用事例5選
ここからは、業界別のIoTソリューションの事例を紹介していきます。
製造業でのIoTソリューションの活用事例
株式会社アルファTKGは、中小ものづくり企業の経営者に「経験や勘・直感に基づく知識」が蓄積されていることで業務負担の分散が機能していないことを認識。
そこで「図面の見える化」や、今の工場設備の情報がリアルに見れる「バーチャル工場」の仕組みを実現するプラットフォームを開発しました。
設計書・図面作成などを含めた作業をオンラインに移行することで、「組み立て手順」「図面の作成手順」などの情報を一元管理できるようになり、個人に依存しない組織体制確立に繋がっています。
(参考)経済産業省 関東経済産業局 「中小ものづくり企業IoT等活用事例 概要資料」
製造業でIoTを推進するメリットとして他にも、以下のような事例もあるため参考にしてみて下さい。
『製造業でIoT化を推進するメリットや課題、事例を紹介』
『【製造DX】スマートファクトリーとは?意味やメリット、課題やIoTの活用事例を紹介』
介護でのIoTソリューションの活用事例
少子高齢化社会の到来によって、介護人材が大幅に不足しており、IoT導入が求められています。
例えば、バイタルや室温を感知できるルームセンサーを内蔵したエアコン導入によって、室内に居る介護者の安否と室内環境の可視化が可能です。
ナースコールと連携することで一定の閾値を超えた際に自動で通知される仕組みを導入することもできます。
その他、介護業界でのIoT導入事例は、以下を参考にしてみて下さい。
『【介護DX】介護業界でのDXのメリットやデメリット、課題、事例を紹介』
農業・漁業でのIoTソリューションの活用事例
農業・漁業でもIoTソリューションを活用して、効率化を図る動きが広がっています。
北海道にある中出農場では、トラクターに自動操縦を行う機器を取り付けました。
車両の姿勢を検知する高性能ジャイロとGPSのガイダンス情報を利用して、設定したガイダンスラインに沿って自動でハンドルを操縦することで、無駄な動きが減少、作業効率が向上したのです。
(参考)農林水産省「トラクターのGPS制御システムの導入」
宮崎県に拠点を置く株式会社魚政では、SNSを活用して、魚市場の最新水揚げ情報を顧客に発信。
顧客が求めている魚の種類・価格・量などを事前に確認して、条件に合った魚を競り落とすことも出来るようになりました。
(参考)農林水産省「SNSへの水揚げ情報配信を活用したセリシステム構築」
その他の農業・漁業に関連する導入事例は以下をご覧ください。
『【スマート農業】DX化の進む農業でのIoTの活用事例や製品を紹介』
『IoT・ICTを活用した農業のメリットや課題、導入事例をわかりやすく解説』
『【スマート漁業】DX化の進む水産業・漁業でのIoTの活用事例や製品を紹介』
物流業でのIoTソリューションの活用事例
株式会社スーパーレックスでは、「LYNA 自動車配車クラウド」を導入して、「日々の配車計画の高速化」と「正確な配車計画を誰でも組める」状況を叶えました。
独自開発のAIアルゴリズムによって、何十万通りの計画を瞬時にシミュレーションして、コスト・時間削減に最も優れた配送ルートを提案します。
(参考) 国土交通省「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」
その他の物流業界の事例は、以下をご覧ください。
『物流業界のIoT・M2M活用のソリューションや導入事例を紹介!』
『スマートロジスティクス(スマート物流)とは?意味や定義、メリット、活用事例を紹介』
『物流DXとは?具体的な取り組み内容、導入事例、支援企業を紹介』
小売・流通業でのIoTソリューションの活用事例
株式会社ローソンでは、スマートフォンを利用してレジを経由せずに決済する「ローソンスマホレジ」の提供を2018年から開始しました。
商品バーコードをスマートフォンアプリで読み込んで、アプリ内で支払いを済ませることでレジに並ばずに買い物が可能となったのです。
(参考)株式会社ローソン「店内でどこでも決済!ローソンスマホレジを一部店舗で展開中」
その他の小売・流通業の活用事例は以下をご覧ください。
『【小売業・流通業】課題やDX化のメリット、IoT活用事例を紹介!』
まとめ
IoTソリューションが各業界に導入されることで、抱えている課題を解決して企業が持っている人的・物質的資源を有効に生かすことが可能です。
多種多様なシステムが導入されており、今後もさらにIoTソリューションの広がりは拡大するでしょう。
IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。 DXHUB株式会社 https://dxhub.co.jp/ 京都本社 〒600-8815 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93番地KRP6号館2F 東京オフィス 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-25-5 BIZ SMART代々木 307号室
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