物流業界のIoT・M2M活用のソリューションや導入事例を紹介!
物流業界のIoT・M2M活用のソリューションや導入事例を紹介!
現代においては、IoT時代と称される時代において、様々な業界でIoTやM2Mの活用が広く進展しています。そして、一般の個人の日常生活においても、スマートウォッチやスマートスピーカーなど、多岐にわたるIoTデバイスが普及しています。本記事では、物流業界におけるIoTやM2Mの活用に焦点を当て、その目的や目標、得られるメリット、導入事例などを詳しくご紹介します。これらのテクノロジーの導入により、物流業界における業務効率化や競争力の強化など、さまざまなポジティブな影響が期待されます。興味をお持ちの方は、ぜひ本記事をお読みください。
目次
物流業界のIoT・M2M導入とは
物流業界の具体的なIoT・M2M導入について紹介します。
物流業界でのIoT・M2M導入の目的
IoTやM2Mを用いて他の産業に対する物流業界の優位性を高めるとともに、日本だけでなく、世界に通用する国際競争力を身につけることが物流業界のIoT・M2M導入の目的です。
物流業界のIoT・M2M導入の方向性
IoT・M2M導入の目的を実現するための方向性として、大きく分けると、「配送におけるIoT・M2M導入」と「倉庫内におけるIoT・M2M導入」の2つがあります。
1. 配送におけるIoT・M2M導入
配送中の荷物の位置情報や、倉庫内での荷物の動きを確認・管理などをするための活用方法です。
2. 倉庫内におけるIoT・M2M導入
棚卸しや検品、ピッキング、仕分けなど倉庫内作業の効率化などをするための活用方法です。
そもそもIoTとは
IoT(Internet of Things)とは、「モノのインターネット」とも呼ばれるコンセプトや技術のことを指します。IoTは、インターネットを介して様々な物理的なデバイスやモノを接続し、相互に情報を交換・共有する仕組みを指します。
具体的には、センサーやアクチュエータ(制御装置)、組み込みシステムを備えたデバイスや機器が、インターネットに接続され、データを収集・送信し、リモートで制御・監視されるようになります。これにより、普段の生活から産業、農業、健康などあらゆる分野で効率化や便益がもたらされる可能性があります。
「IoT」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
『IoTとは?Internet of Things(モノのインターネット)の意味や仕組み、事例を解説』
そもそもM2Mとは
M2M(Machine-to-Machine)は、「機械同士の通信」という意味で、IoT(Internet of Things)の一部分を構成する技術・概念です。M2Mでは、人間の介在なしでデバイス同士が相互に通信し、データを交換することが重要な特徴です。
M2Mの典型的な応用例は、産業や企業の分野に見られます。例えば、製造業では機械が自動的に生産データを収集し、製造ラインを最適化することが考えられます。また、スマートメーターが家庭の電力使用量を収集し、電力会社と通信して遠隔で電力供給を調整するのもM2Mの例です。
IoTとM2Mは密接に関連しており、M2MはIoTの基本的な要素の一つとして位置付けられます。IoTはM2Mを含みつつ、さらに人間とデバイスの間の通信やクラウドサービスとの連携など、広範なスコープを持つ概念です。
「M2M」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
『M2M(Machine to Machine)とは?意味や仕組み、IoTとの違い、事例を紹介』
物流業界のIoT・M2Mソリューションと導入事例
物流業界のIoT・M2Mソリューションを提供している3社を紹介します。
株式会社スマートショッピング「スマートマットクラウド(SmartMat Cloud)」
株式会社スマートショッピングが物流業界向けに提供しているサービスが「スマートマットクラウド(SmartMat Cloud)」です。
スマートマットクラウドは、専用のスマートマットで在庫の重さを自動検知することで、製品や商品の残量をスマートマットクラウドに自動的に記録します。重さの増減検知を利用することで、発注業務を自動化し、在庫管理業務の無人化を実現します。
<解決できる悩み>
・在庫管理に関する悩み
・棚卸しに関する悩み
・誤発注、過発注に関する悩み
・人手不足、非効率配送に関する悩み
<導入事例>
NTT東日本-関信越 長野支店 設備部 長野サービスセンタ
従来の在庫管理・発注方法は、担当者1名が別の業務と兼任しながら目視で在庫数量を確認し、手動で注文書を起票し、購買システムへの入力を行なっていましたが、在庫管理・発注担当者の異動に伴い、在庫管理・発注業務の在り方を見直すきっかけとなり、スマートマットクラウドを導入しました。NTT東日本-関信越 長野支店 設備部 長野サービスセンタでは、スマートマットクラウドの導入後、在庫点検から発注、システム入力までにかかる時間を月間20時間と削減することができ、在庫数量の自動把握に加え、RPA連携を通じた発注業務の自動化を実現することができました。
(参考)災害での緊急対応をきっかけに、属人化した在庫管理を見直し、RPA連携を活用した発注の自動化でDX化を推進|株式会社スマートショッピング
東芝デジタルソリューションズ株式会社「倉庫管理ソリューションLADOCsuite®/WMS」
東芝デジタルソリューションズ株式会社が物流業界向けに提供しているサービスが「倉庫管理ソリューションLADOCsuite®/WMS」です。
倉庫管理ソリューションLADOCsuite®/WMSは、ドライバーの待ち状況や庫内の作業進捗を見える化し、在庫の分析や作業進捗シミュレーションを可能にし、出荷伝票を自動的に車両(ルート)に振り分けることができます。LADOCsuite®/WMSを導入することで、倉庫の作業進捗全体を把握し、的確な作業指示を行うことで、ドライバーや作業の待ち時間を削減でき、分析やシミュレーション結果をもとに、庫内の人員配置や在庫配置の最適化ができ、さらには、トラックの出門時間から、作業優先度と開始時刻を計画し、オンタイムでの出荷作業をサポートします。
<解決できる悩み>
・在庫管理に関する悩み
・ドライバーの待ち時間に関する悩み
・誤発注、過発注に関する悩み
・多様な国籍の社員に関する悩み
<導入事例>
月桂冠株式会社
月桂冠株式会社では、RFP(要求仕様書)として、(1)パッケージベースであること、(2)最小限のカスタマイズが可能なこと、(3)倉庫の効率的な運用が見込めること、(4)同社の商品数(SKUで1200種以上)や出荷形態(パレット/ケース/バラ)に対応できることを重視し、LADOCsuite®/WMSを導入しました。導入効果として、ピッキング指示から積み込み完了までの時間が5分ほど短縮され、実際に1日当たり100台のトラックをさばくとすると、最大で延べ500分も時間を短縮することができるようになりました。
(参考)倉庫管理に東芝の「LADOCSuite」を採用 3000パレット/日の出荷作業の効率化を実現|東芝デジタルソリューションズ株式会社
トッパン・フォームズ株式会社「物流業向けIoT・RFIDソリューション」
トッパン・フォームズ株式会社が物流業界向けに提供しているサービスが「物流業向けIoT・RFIDソリューション」です。
物流業向けIoT・RFIDソリューションとして、「入出庫管理・検品作業」「在庫管理・棚卸し管理」「物流資材位置管理」などで様々な製品を提供しています。
入出庫管理・検品作業
・ゲート型RFIDリーダー
・小型RFIDリーダー(NF-UHF-CB)
在庫管理・棚卸し管理
・棚卸しアプリケーションソフト/Easy Checkout Lite
・UHF帯RFIDタグ
物流資材位置管理
・輸送容器所在管理システム/LogiViewer(ロジビューア)
・物流資材位置管理ソリューション
・UHF帯RFIDタグ
<解決できる悩み>
・入出荷時の検品作業に関する悩み
・在庫管理や棚卸しに関する悩み
・現場の負担の削減に関する悩み
・作業のばらつきに関する悩み
・物流資材の数や状況の把握に関する悩み
<導入事例>
①アサヒビール株式会社
アサヒビール株式会社では、洋酒類製品を在庫拠点から毎日出荷する分だけを仕分け倉庫に輸送し、倉庫で届け先店別に仕分け・出荷しており、毎日、品種別パレットから商品を探し出し、届け先別に分ける作業にかなり手間と時間がかかっていました。ICタグとエコバンドを活用し、社内物流を効率化することを目的にシステム導入を行い、結果として、「顧客への納品リードタイムを最大1日分短縮」「フォークリフトの稼働時間が24%短縮され、CO2排気量が27.6%減少」「梱包フィルム使用量が70%減により、コスト削減が実現」という3つの効果を実感しました。
(参考)【物流管理】物流作業効率化システム(アサヒビール株式会社様)|トッパン・フォームズ株式会社
②安田倉庫株式会社
安田倉庫株式会社では、棚卸しを行う事で保管品質を高めていきたいという目的がありましたが、棚卸しには多大な時間と労力を要し、その負担を軽減させることが課題となっていたため、RFIDシステムの導入を行いました。導入効果として、棚卸し時間を1/24に削減(30万箱 500時間→21時間)し、高所危険作業の機械化をすることで、保管箱の保管状況や位置情報の管理を実現しました。
(参考)【資産管理】オーダーピッカー搭載高速棚卸しシステム(安田倉庫株式会社様)|トッパン・フォームズ株式会社
IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。 DXHUB株式会社 https://dxhub.co.jp/ 京都本社 〒600-8815 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93番地KRP6号館2F 東京オフィス 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-25-5 BIZ SMART代々木 307号室
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