悪用や漏洩の温床?ChatGPTの危険性とは。注意すべきリスクとその対策について解説
悪用や漏洩の温床?ChatGPTの危険性とは。注意すべきリスクとその対策について解説

この記事では、ChatGPTの危険性と、その対策について解説しています。ハルシネーションや入力内容の学習のリスクから、個人・法人利用での対策まで取り上げており、ChatGPTを使い始める方に是非知ってほしい記事内容となっています。
目次
誰もが気軽に使える生成AI、ChatGPTとは
ChatGPTとは、OpenAI社が開発した対話型生成AIサービスのことを指します。機能は文章生成を始め、翻訳や質問への回答、更にはプログラミングコードまで生成が可能で、多岐にわたる用途で用いられています。しかし、便利な反面、様々な危険性をはらんだ技術でもあるのです。誤った内容をさもあるかの様に生成するハルシネーションや、AIが入力内容を勝手に学習し他の場所で生成してしまう現象などが例となります。ChatGPTは誰でも気軽に利用できるが故に、正しい使い方を学ぶべきでしょう。
この記事では、ChatGPTの危険性と、そのリスクを回避する対策について解説していきます。
ChatGPTはセキュリティが脆弱?
この記事を読むにあたって、まず知ってほしいことは、ChatGPTのセキュリティについてです。OpenAI社によると、ChatGPTのセキュリティは無料・有料版共に高品質の暗号化(TLS 1.2やAES-256)によって安全性が確保されています。ChatGPTから情報漏洩したというニュースを聞いて、セキュリティが脆弱だと勘違いする方が多いのですが、実際にはセキュリティは現状問題なく、後述の入力内容の学習が引き起こした漏洩による被害なのです。そのため、リスク回避にはセキュリティを向上させるよりも、入力内容の学習を防ぐことが大切となります。勿論、セキュリティ対策は行った方が安全なので、その点は留意しておきましょう。
ChatGPTの危険性
ChatGPTの危険性は主に、「ハルシネーション」「文章・画像・動画・コード生成の悪用」「入力内容の学習による個人・機密情報の漏洩」「回答結果への依存」が挙げられます。
ハルシネーション
「ハルシネーション」とは、誤った情報という意味で、主に生成AIが質問に対する回答を見つけられなかった場合に情報を捏造する現象を指します実在するかの様に情報を生成するため、一見では判断が難しい点があるのです。
なぜこういった現象が起こるかというと、生成AIは回答の際、特に指示がなければ、「分からない」という回答をせず情報の提示を優先してしまうため、新たな情報の生成によって問題を解決しようとすることが原因となります。ハルシネーションは、2026年1月時点の最新AIモデル「GPT-5.2」によって格段に減少しましたが、依然として誤情報は生成され続けています。
文章・画像・動画・コード生成の悪用
誰でも気軽に文章・画像・動画・コードなどを生成できる点はメリットでもありますが、悪用されてしまうケースがあります。著作権を侵害する画像・フェイク動画・悪質なスパムに使われる文章の自然な翻訳・コンピューターウィルスのコード生成など、使い方次第で悪質な生成ができてしまうことが問題視されています。
利用の中で、これらを意図的に生成することはまずありませんが、著作権問題などは知らず知らずの内に接触してしまうケースが多いです。
入力内容の学習による個人・機密情報の漏洩
ChatGPTを利用する上で最も気をつけるべきリスクは、入力内容の学習によって引き起こされる情報漏洩です。「ChatGPT Business」「ChatGPT Enterprise」以外のプランでは、デフォルトで入力内容をAIモデルの学習に使用する機能がONになっています。これは、AIモデルの品質を向上させるという意味合いをもった機能なのですが、利用者が学習する情報を選別できないため、入力したプライベートな情報まで学習されてしまいます。これによって、個人情報や機密情報が流出してしまったケースがあり、プライバシーの観点から危険性のある機能だといえます。
なお、入力内容の学習は後述のオプトアウト設定を行うほか、「一時チャット(Temporary chat)」をONにすることで防ぐことができます。
下記は、一時チャットに関しての公式FAQです。
一時チャットに関するFAQ | OpenAI Help Center
回答結果への依存
ChatGPTは、あらゆる質問に対する回答を数秒から数十秒程度で提示します。そのため、あらゆる作業を任せてしまい利用者の思考能力が低下してしまう、情報の内容をChatGPTの回答のみでしか判断しなくなるといった危険性があります。前述の通り、ハルシネーションのリスクもあるので、頼りすぎないことが重要です。
ChatGPT利用前に知っておくべき対策
ここからは、ChatGPTを利用する際に知っておくべき対策を解説していきます。対策は主に、「オプトアウト設定で入力内容の学習を防ぐ」「生成内容の真偽を確認する」「法人利用ではガイドラインを策定する」といった方法が挙げられます。
オプトアウト設定で入力内容の学習を防ぐ
情報漏洩のリスクがある入力内容の学習ですが、設定を行うことでオプトアウト(サービスを拒否)することができます。ちなみに、ワークスペース内の学習は引き続き行われます。
設定方法は以下の通りです。
・ChatGPT左下、アカウント欄の「設定」を選択
・「データコントロール」内にある、「すべての人のためにモデルを改善する」をOFFにする
以上によって、ChatGPTに入力内容を学習されることがなくなりますが、新規でアカウントを作成した際での設定のし忘れや、オプトアウトできなくなる可能性も考慮すると、個人・機密情報を入力しないことは徹底すべきでしょう。
生成内容の真偽を確認する
生成AIを利用する上で起こり得るハルシネーションですが、一番の対策は生成内容を確認することです。方法としてはまず、情報源となる引用を検索し直すことで、実在する情報かを洗い出します。引用のリンクが切れている・存在しない情報だと判断したなら、ChatGPTにその点を再度質問することで、真偽を回答させましょう。
法人利用ではガイドラインを策定する
ChatGPTを法人利用する場合は、ガイドラインの策定が必須です。適切なガイドラインがあれば、リスクを回避しながら作業効率を向上させることができます。
具体的には、
・個人情報や機密情報を入力しない
・利用しても良い業務の策定
・生成内容の事実確認を必需とする
これらを導入すると良いでしょう。
なお、ChatGPTの個人用プランは法人利用しないことをおすすめします。前述のオプトアウト設定をし忘れる危険性や、アカウントの管理が困難になるためです。法人向けプラン「ChatGPT Business」「ChatGPT Enterprise」ならば、最初から入力内容の学習をしない設定かつ、利用アカウントの一括管理が可能となります。
下記は、ChatGPTの法人向けプランです。「ChatGPT Enterprise」は、申し込みが必要なので注意しましょう。
ChatGPTを使うメリット
ここまで、ChatGPTに関する危険性とその対策について解説してきました。では、利用するメリットはどこにあるのでしょうか?
ChatGPTを利用する最大のメリットは、回答の速さを活かした作業の効率化です。マニュアルを学習させて、報告書・会議の議事録・メール作成といった業務を代行させたり、確認は必要ですが情報収集やアイデア捻出の一助を担わせたりと、業務の大幅な短縮が見込めます。ChatGPTがあることによって、一日に可能な作業の幅も広がるため、利用する価値は高いといえます。
利用の際に重要なポイントとしては、自身がどの作業を行うか決めることです。ChatGPTは学習したマニュアル通りの単純作業は得意ですが、マニュアルから逸れやすい複雑な作業を行うと文章が破綻してしまったりと、苦手とする作業もあります。そのため、ChatGPTに任せる作業と自身の行う作業を分けることが、メリットをより引き出せる要因となります。
ChatGPTは利用するべき?避けるべき?
ChatGPTは誤った使い方をしてしまうと、非常に危険なサービスだといえます。しかし、数秒から数十秒で様々な作業を行えるというメリットを持つため、捨て置くには惜しい存在です。ChatGPTを利用するべきか、避けるべきかは、リスク・メリットのどちらが上回るかが鍵となります。
個人利用では、情報漏洩に繋がる入力やハルシネーションに注意しながら、頼りすぎず、モラルを持って使用すると良いでしょう。一方、法人利用では、よりリスクが高まりますが、業務の効率化によるメリットも大きくなります。また。安全に利用するため、リスク回避のガイドライン策定や、社員がChatGPTを使いこなせるかの確認などが必要不可欠です。
ChatGPTを利用したい方は、この記事で解説した危険性を意識しながら、本当に利用するべきかを改めて考えてみてはいかがでしょうか。

IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。
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