IoT家電(スマート家電)とは?できることやメリット、注意点、種類を紹介
IoT家電(スマート家電)とは?できることやメリット、注意点、種類を紹介

多くのモノがインターネットに接続される「IoT」の拡大により、「仕事」と「生活」の利便性が向上しています。特に「スマート家電」や「IoT家電」といった、IoTの概念を取り入れた製品は、生活品質の向上に大きく貢献することが期待されています。しかし、現実には「スマート家電」や「IoT家電」の正確な性質について知識が乏しい方も多いかもしれません。本記事では、「スマート家電」と「IoT家電」の基本的な概要から得られるメリット、注意すべきポイント、そして代表的な製品について詳しく解説していきます。
目次
スマート家電・IoT家電とは
生活シーンで利用する頻度の多い「洗濯機」「エアコン」「テレビ」などのあらゆる家電がインターネット回線に繋がることで、「定期的にアップデートして機能を強化する」「遠隔操作が可能になる」「家電同士を連携させて相乗効果を生み出す」などを実現します。
変化していくライフスタイルに寄り添い、柔軟に生活をサポートするためのツールが「スマート家電」「IoT家電」の定義です。
日々の暮らしを何段階も快適にするツールのひとつとして、「スマート家電」「IoT家電」には多くの可能性が隠されています。
スマート家電に活用されている「IoT技術」や「M2M技術」について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
『IoTとは?Internet of Things(モノのインターネット)の意味や仕組み、事例を解説』
『M2M(Machine to Machine)とは?意味や仕組み、IoTとの違い、事例を紹介』
スマート家電・IoT家電でできること
日常生活の中で「スマート家電」「IoT家電」を導入することで、どのように生活が変化するのかイメージできない方も多いのではないでしょうか?
この項目では「スマート家電」「IoT家電」を導入することでできることを解説します。
外出先から自宅の家電を遠隔操作できる
自宅に設置している家電がインターネットに接続していると、外出先からでもスマートフォンを活用して家電を操作することが可能になります。
具体的には以下のことが可能です。
・外出先から乾燥機付き洗濯機をスタートさせて、自宅に到着したタイミングで乾燥まで終わっている
・長期間自宅を留守にする場合には、外出先から自宅の電気をON/OFFすることで自宅に居るように見せかけることが可能になる
・外出先から自宅に戻るまでに、エアコンをスマートフォンで操作することで、自宅到着時までに最適な温度に調節する
近年は、女性の社会進出も広がりを見せていることから「共働き世帯」が大幅に増加しました。そのため「帰宅した後にやらなければいけない家事が多くある」状況を「IoT家電」「スマート家電」を利用して解決することが可能です。
スマートフォン・声で家電を操作できる
前述したように「共働き世帯」の拡大によって、仕事帰りの自宅での時間をいかに効率的に過ごすかが大切になってきます。
「IoT家電」「スマート家電」を自宅に導入することで、スマートスピーカーを活用して「料理をしながら電気を付ける」などの「ながら」作業が可能になりました。
「電気をつけて」「テレビをつけて」「今日の天気を教えて」などの言葉を投げかけるだけで、必要な情報の取得と家電の操作が可能になります。
また、今までは家電ごとにリモコンを利用して操作する必要がありましたが、「IoT家電」「スマート家電」を導入することで、自身が所有しているスマートフォン1台で全ての家電を操作できるようになり、リモコンを探す手間がなくなりました。
直感的な操作で、簡易的に家電を操作できることから「少子高齢化社会」を迎える日本において、一人暮らしのお年寄り世帯にも今後「IoT家電」が広がりを見せていくことが予測されています。
外出先でも自宅のセキュリティ対策ができる
「IoT家電」「スマート家電」の他にも、自宅にセキュリティ関連機器を導入して「スマートホーム化」することで強固なセキュリティ対策を講じることが可能です。
具体的な事例として以下が挙げられます。
・外出した際に鍵を閉めたかどうか不安になった場合に、スマートフォンを操作して鍵を閉める
・鍵の開閉記録をデータとして蓄積しておき、スマートフォンでいつでもチェックできるようにすることで子供たちが帰宅しているかを把握する
・ネットワークカメラを設置することで、子供たちが自宅に帰宅しているかを所持しているスマートフォンから確認する。
ただし、セキュリティ機器を導入する「スマートホーム化」は、「導入時に製品購入費用などの大きな費用が発生する」デメリットも抱えています。
また、機器を購入したとしても、全ての機器をインターネットに接続する作業は思いの外ハードルの高い作業と言えるでしょう。
それでも「シングルマザーで子育てしている方」「女性の一人暮らし」など、手軽にセキュリティ対策を強固にする手段として導入を検討することがおすすめです。
初期設定に時間は掛かりますが、一度設定が完了することで快適な環境を維持することが可能になります。
スマート家電・IoT家電のメリット
「スマート家電」「IoT家電」を導入することで実現できることを説明してきました。初期設定などに時間が掛かるデメリットはありますが、日常生活の「隙間時間」を生み出すために「IoT」導入は必要不可欠です。
次に、「スマート家電」「IoT家電」を利用することで得られるメリットをまとめます。
生活を限りなくシンプルにできる
スマート家電を導入することで、「スマートスピーカー」「スマートフォン」を利用して「エアコンのオンオフ制御」「カーテンの開閉設定」「家の明るさに合わせて照明の明るさを変える」なども行えます。
ひとつひとつの家電操作に掛かる手間はそこまで大きくないとしても、自宅全体の作業を全て合わせると膨大な時間です。それらの時間をカットすることで有意義に自分の時間に充てられるようになる点が大きなメリットと言えるでしょう。
不安を軽減できる
「自宅の鍵を閉めたかな」「窓を全部閉めたかな」など、外出時の扉の閉め忘れは、仕事中も気になってしまうものです。
自宅に小さな子供がひとりで居る時に、窓の鍵が空いていると「不審者が侵入してくる」「ベランダに出てしまい、誤って転落してしまう」などのリスクに晒される可能性があります。
自宅をスマートホーム化することで、遠隔操作で窓の鍵を開け閉めすることが可能になるほか、ネットワークカメラ等を導入することで子供・ペットがどのような状態なのかを遠隔でチェックすることも可能です。
効率的に時間を使える
私たちが1日に割り当てられている24時間のうち、実際に自分のために利用できる時間はごくわずかです。
例えば「仕事:8時間」「睡眠:8時間」「通勤:片道1時間(往復2時間)」とした時に、残りの6時間で「子育て」「家事」「食事」などを全て行う計算になります。
もし、自宅に「スマート家電」「IoT家電」を導入することで会社から自宅に帰る片道1時間で乾燥機付き洗濯機を稼働させれば、自宅に到着した時には洗濯物を取り込むだけになるのです。
上記のように、限られた時間を有効に活用することで、自身の時間を生み出すことが「IoT家電」「スマート家電」で実現可能となります。
スマート家電・IoT家電を使用する際の注意点

忙しい現代人の生活を効率的なものにすることで、貴重な時間と高い安全性を生み出す「スマート家電」「IoT家電」ですが、利用する場合には注意しておくべきことも頭に入れなければなりません。
以下の注意点を把握することで、スマート家電への理解をより深めるようにしてください。
機器の登録台数に制限がある
スマートフォンに入れて利用する「スマートリモコン」や、声で「IoT家電」「スマート家電」を操作する「スマートスピーカー」では、登録できる台数に制限がある場合も考えられます。
また「スマートリモコン」「スマートスピーカー」があらゆる「IoT家電」「スマート家電」に対応している訳ではありません。
具体的には、以下のようなケースが該当します。
・赤外線通信が可能なテレビ・エアコンなどはまとめて操作できるが、炊飯器・冷蔵庫などは登録できない
・基本的にほとんどの家電と接続できるが、特定メーカーの家電は対応しておらず登録ができない
「スマートリモコン」「スマートスピーカー」を導入する際には、「登録可能な台数」「対応製品」などを事前に確認しておくことが大切です。
インターネット回線が必要になる
「スマート家電」「IoT家電」はインターネット回線を利用することで利便性を高めるものであり、インターネットに接続されていない状況では機器設定自体も出来ません。そのため、利用環境である自宅のWifi環境整備は必須となります。
遠隔操作で外出先から操作する場合にも、安定したインターネット環境が整備されていることが前提であることから、事前に整えておきましょう。
情報漏洩などのセキュリティリスクがある
自宅のあらゆる家電がインターネットに接続されている状態は、利便性を高める反面、セキュリティリスクも上がります。
具体的には以下のような事例があることを頭に入れましょう。
※ハッキングによる家電操作
スマート家電の場合は、遠隔操作でスイッチON/OFFが可能になるため、ハッキングによって「電子レンジをON」「ヒーターをON」にするなどで、自宅で火事を起こさせるような可能性も考えられます。
その他にも、位置情報を知られることで自宅が割り出され、普段の行動パターンから自宅にいない時間帯を予測して、「不法侵入」「盗難」などの被害に遭う可能性もあるのです。
対策として、「プライバシー保護対応」「通信データ暗号化」などの高いセキュリティを有している製品を選ぶようにしましょう。その他、多くの個人情報が格納されているスマートフォンにアンチウイルスソフトを導入したり、定期的にアップデートするなど適切な対応を取ることが求められます。
スマート家電・IoT家電の代表的な種類
「スマート家電」「IoT家電」を実際に利用する際に押さえておきたい注意点を解説してきました。
最後に、数多く発売されている「スマート家電」「IoT家電」の中でも特に代表的なものをピックアップして紹介します。
「スマート家電」「IoT家電」のおすすめ製品を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『【2023年最新】スマートホームデバイスとは?おすすめ製品を紹介』
スマートスピーカー
AI(人工知能)によるアシスタント機能を搭載しており、スマートスピーカーに「スマート家電」を対応付けることで、音声による操作が可能になります。
代表的な例として以下の操作が可能です。
・家電の操作
・音楽や動作の再生
・本日のニュース読み上げ
・本日の天気予報
・アラーム設定
・スケジュール読み上げ
機械操作が苦手な方でも感覚的に利用できる点がメリットと言えるでしょう。
スマートリモコン
赤外線通信機能を利用してさまざまな機器を一つのリモコンでコントロールできるようになります。「エアコン」「テレビ」「照明」などを一元的に操作可能であり、外出先から遠隔操作も実現可能です。
スマートロック
鍵を利用せずにドアを施錠・解錠できるのが大きな特徴です。
スマートフォンからアプリを開いて、スマートロックに近づけることで自動的に認証して鍵の開閉が可能になります。
「スマートロック」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
『【2023年最新】おすすめのスマートロック9選!メリット・デメリットや選び方も紹介』
スマートプラグ
スマートプラグを自宅に導入することで、既存家電をインターネット対応の「IoT家電」に変換出来ます。コンセントに挿して家電のプラグと接続することで、スマートフォン専用アプリから電源のON/OFFが可能です。
「洗濯機」「冷蔵庫」などの赤外線通信に対応していない商品のスマート化に利用できます。
スマート電球
スマート電球は、スマートフォンとの連動によって「点灯」「消灯」「調光」「調色」などの操作ができます。スマートスピーカー対応であれば、音声で照明操作が可能になるため、料理している時など手が離せない状況でも声で操作が可能です。
まとめ
この記事では、「IoT家電」「スマート家電」の概要からできること、注意点などを深掘りして解説してきました。
「IoT家電」「スマート家電」を導入することで、生活をより豊かに効率的にアレンジすることが可能です。また、一人暮らしの方の安全性の向上などにも繋がります。
「IoT家電」「スマート家電」を利用する際には、セキュリティリスクを多く抱えるデメリットもあるため、セキュリティ対策を並行して行いながら、利便性を高めていくことが大切です。

IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。 DXHUB株式会社 https://dxhub.co.jp/ 京都本社 〒600-8815 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93番地KRP6号館2F 東京オフィス 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-25-5 BIZ SMART代々木 307号室
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