【三谷産業】自動車部品の自動外観検査機を開発!AI技術で目視検査を大幅効率化、ベトナム工場で実用化に向けた評価開始
【三谷産業】自動車部品の自動外観検査機を開発!AI技術で目視検査を大幅効率化、ベトナム工場で実用化に向けた評価開始

この記事では、三谷産業株式会社が開発した、AI技術を活用した自動車部品の自動外観検査機について紹介しています。
2024年8月26日、三谷産業株式会社は、AI技術を活用した自動車部品の自動外観検査機を開発しました。これにより、従来の目視検査による手作業の負担を軽減し、同時に高精度な品質管理を実現することが期待されています。この新しい検査機は、実用化に向けた取り組みの一環として、2024年8月からベトナムにある自社の量産ラインで評価を開始しました。
(参考)三谷産業
■開発の背景と目的
三谷産業は、日本とベトナムを中心に、車載向け樹脂成形品の製造・販売を手掛けており、高品質な製品を安定して供給するため、厳格な品質管理を行っています。同社は広島の技術部および品質保証部をマザー機能とし、ベトナムの2つの子会社と連携して「良品しか作れない製造工程」を目指しています。
近年、電気自動車(EV)へのシフトや自動運転技術の進展により、自動車産業は急速な技術革新の時代を迎えています。これに伴い、自動車の安全性や品質に対する要求も高まり、製造工程の効率化と精度向上が急務となっています。特にベトナムでは、労働コストの上昇が課題となっており、AIや自動化による生産効率の向上が求められています。
これらの背景から、三谷産業はAI技術を活用した自動外観検査機の開発に着手しました。目視検査は従来、製造コストの増加要因となっていましたが、今回の開発により、検査の自動化と省力化を実現し、コスト削減と生産性向上が期待されています。
■自動外観検査機の特長
三谷産業が開発した自動外観検査機は、以下の特長を持っています。
1.良品学習が可能なAI搭載
検査機には、良品データを学習するAIが組み込まれており、これにより不良品の高精度な検出が可能です。AIが複数の角度から撮影した製品の画像を学習結果と比較し、汚れや傷、バリ、欠けなどの欠陥を正確に検知します。
2.独自の高精度カメラと設計
高解像度カメラやタッチパネルユニットを組み合わせた独自設計により、検査の精度を高めています。検査結果はタッチパネルディスプレイで直感的に確認でき、操作も容易です。
3.省力化とコスト削減
この検査機の導入により、従来の目視検査に比べて大幅な工数削減が見込まれています。ベトナム工場での評価に基づく試算では、1部品あたりの検査時間を110秒から37秒に短縮し、約66%の工数削減が可能です。

検査工程の評価・検証イメージ
■実装と評価
この自動外観検査機の設計、組み立て、AIの学習やシミュレーションは、広島事業所で行われました。その後、2024年5月にベトナムの製造工場へ移設し、実環境での検証を実施。8月からは量産ラインでの評価を開始し、正式稼働に向けた準備を進めています。また、この検査機のAI技術には、同社の情報システム事業部のノウハウも活用されており、三谷産業の技術力を結集した製品となっています。
■今後の展開
現在、ベトナム工場で行われている評価の結果次第では、2026年を目処に全量産工場での導入を完了させる計画です。さらに、検査機に蓄積されたデータを活用し、製造工程での不良品発生原因を特定することで、プロセス全体の改善に繋げる取り組みも予定しています。
今後もAIやロボティクス技術を駆使して、効率的で高品質な製造プロセスの構築を目指していきます。
(参考)三谷産業、AIを活用した自動車部品の自動外観検査機を開発

IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。
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