どのIT系国家資格を取るか迷っている方へ。取得のメリット・全13種のIT系国家資格を分野別で紹介
どのIT系国家資格を取るか迷っている方へ。取得のメリット・全13種のIT系国家資格を分野別で紹介
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2025-10-16
4min

この記事では、2025年時点で全13種実施されているIT系国家資格について、分野ごとにカテゴライズし、IT企業での役割や取得するメリット、資格ごとの特徴を紹介しています。
目次

そもそもIT系国家資格とは
IT系国家資格とは、IPA(情報処理推進機構)が実施するIT関連の国家試験に合格することで取得できる資格を指します。比較的取得が容易な資格から、取得難易度の高い資格まで幅広く存在し、取得者の知識やスキルを証明しやすくなります。
IT企業で国家資格は必要?取得するメリット
IT系国家資格は、取得者のスキルや知識を企業へ証明する際に役に立つほか、資格によっては昇給や昇格の基準として設定している企業もあります。特に、IT企業への就職・転職の際には必ず役に立つでしょう。また、特定のプロジェクトへの参加条件として、IT系国家資格を要求する場合があり、更なるキャリア向上が狙えます。
IT系国家資格の分野

IPAが制定しているIT系国家資格は、2025年現在で13種あります。IT系国家資格には主に4つの分野があり、それぞれ「全職種共通資格」「エンジニア系資格」「ITマネジメント系資格」「セキュリティ系資格」となります。
共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)レベルとは
共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)レベルとは、ITキャリアで求められるスキルをIPAがレベル帯に則して定義する規格を指します。IT系国家資格でもこの規格へと当てはめられており、1〜4レベルの基準として扱われています。
全職種共通資格
「全職種共通資格」に分類される国家資格は、「ITパスポート」「基本情報技術者」「応用情報技術者」の3種です。これらの資格は、CCSFレベル4の国家資格を取得する上で必須となる、ITへの知識やスキルを身に着けている証明でもあります。
ITパスポート CCSFレベル1
今回紹介する内で、最も基本的なIT系国家資格が「ITパスポート」です。ITを扱う上で必要な基礎的な知識を証明できます。国家資格を取得したい方がスタートとして選択すべき資格といえるでしょう。
基本情報技術者 CCSFレベル2
「基本情報技術者」では、ITキャリアを目指す上で必要となる知識を証明できます。この資格があれば、正しくITを扱える人材として評価されるでしょう。
応用情報技術者 CCSFレベル3
「応用情報技術者」は、「基本情報技術者」での知識を前提とした上で、更に発展させた知識を証明することができます。この資格を取得しているなら、ITをより効率的に扱える人材として評価されます。
エンジニア系資格 CCSFレベル4
「エンジニア系資格」に分類される国家資格は、「システムアーキテクト」「ネットワークスペシャリスト」「データベーススペシャリスト」「エンベデッドシステムスペシャリスト」の4種です。それぞれ専門性を問われる資格となっているので、CCSFが全て4レベルと、取得難易度は高くなります。
取得できるならば、IT企業が求める人材の証明となることは間違いないでしょう。
システムアーキテクト
「システムアーキテクト」は、提案を元に情報システムの設計・開発を主導する知識やスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、システム開発の上流工程を担うことができる人材として評価されます。システム開発の根本を行いたい方に、うってつけの資格です。
ネットワークスペシャリスト
「ネットワークスペシャリスト」は、ネットワークの推移を把握し、ケースごとに最適なネットワークの構築・運用・保守を行う知識やスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、システム開発・運用における最適なネットワーク利用や、過去に構築したネットワークの維持・再構築が行える人材として評価されます。
データベーススペシャリスト
「データベーススペシャリスト」は、蓄積されたビッグデータを管理し、ケースごとに最適なデータベース運用・保守ができる知識やスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、データベースシステムの開発・運用・維持や、企業内に蓄積されているビッグデータの管理が行える人材として評価されます。
エンベデッドシステムスペシャリスト
「エンベデッドシステムスペシャリスト」は、ソフトウェアとハードウェアを最適な形で組み込んだシステムの構築・運用を行う知識やスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、幅広く他業界を把握し組込みシステムの方針を策定する役割から、開発・仕様書の作成まで、組込みシステムに関する業務を主導できる人材として評価されます。
なお、他の「エンジニア系資格」とは違い、エンジニア技術以外にも、マネジメントスキルを求められる資格となっています。
「エンベデッドシステムスペシャリスト」について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
エンベデッドシステムスペシャリストとは?試験の難易度と過去問、勉強法を紹介|IoTBiz
ITマネジメント系資格 CCSFレベル4
「ITマネジメント系資格」に分類される国家資格は、「ITストラテジスト」「プロジェクトマネージャ」「ITサービスマネージャ」「システム監査技術者」の4種です。CCSFは全てレベル4となり、システムへの知識とそれを活かすマネジメントスキルを求められる資格となっています。
これらは、システム開発を主導したい方にとって、重要な国家資格だといえます。
ITストラテジスト
「ITストラテジスト」は、ITに関する高度な知識と経営・事業戦略を適切なIT技術と組み合わせ、実現へと導くスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、現在の経営方針とIT技術の推移を照らし合わせ、より高度な方針を提案し策定する役割から、事業の制約内で最適なITの利用法を提案できる人材として評価されます。
プロジェクトマネージャ
「プロジェクトマネージャ」は、ITに関する高度な知識を活用し、様々な状況においてもプロジェクトを実現へと導くマネジメントスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、プロジェクトの構想から、実現までの正確な行動計画の策定・推進を行う役割や、ステークホルダー(利害関係者。活動内で利害関係を持つ人や組織全般を指す。)からの要求を柔軟に対応しながらプロジェクトを完遂させるスキルを持つ人材として評価されます。
ITサービスマネージャ
「ITサービスマネージャ」は、ITに関する高度な知識を活用し、ITサービスにおける
計画・運用・改善といった業務全般の主導を行うスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、ITサービス運営において主導が可能かつ、顧客ニーズに合わせたシステム改善を行うスキルを持つ人材として評価されます。
システム監査技術者
「システム監査技術者」は、ITに関する高度な知識を活用し、客観的な立場から情報システムの検証・評価できるスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、情報システムにおけるリスク分析や、コントロールの検証・評価を行うスキルや、ステークホルダーに対する説明責任を果たす役割が持てる人材として評価されます。
セキュリティ系資格
「セキュリティ系資格」に分類される国家資格は、「情報セキュリティマネジメント」「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」の2種です。近年、IT企業ではセキュリティの向上が重要視され、その流れで制定された比較的新しい資格となっています。
情報セキュリティマネジメント CCSFレベル2
「情報セキュリティマネジメント」は、情報セキュリティにおける基本的な知識とスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、業務上のセキュリティ対策や組織内のセキュリティ規定を適切に理解し、情報セキュリティを正しく確保できる人材として評価されます。
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ) CCSFレベル4
「情報処理安全確保支援士」は、情報セキュリティに関する高度な知識を活用し、情報セキュリティの方針や規定の策定ができるスキルを証明する国家資格です。この資格があれば、業務に対応した情報セキュリティリスクの対策や、システム開発・運用・維持を行う上で有効な対策を提案し実行できる人材として評価されます。
国家資格試験の免除制度について
ここまで紹介したIT系国家資格の内、CCSFレベル4に該当する資格は取得難易度が高くなっています。CCSFレベル4の資格試験の合格率は10%台と低く、初回では合格が困難な可能性があります。そういった方に向けて、2度目以降に受ける一部の試験が免除となる制度が存在します。
CCSFレベル4の試験区分は午前と午後に分かれており、午前は資格に関する基本的な知識と専門的な知識を問う2種の試験、午後は専門的なスキルを問う1から2種の試験が行われます。2度目以降ならば、午前の基本的な知識を問う試験が免除となるのです。また、CCSFレベル4の国家資格を取得している場合もこの試験は免除となります。
ただし、これらの免除制度は、資格試験を受けてから・国家資格を取得してから2年間のみとなっています。2年以上経過していた場合、全ての試験を受けなければならないので注意しましょう。
まとめ
今回の記事で、2025年現在の全13種のIT系国家資格を紹介しました。これらの資格はスキルや知識を企業へ証明する際に役に立ち、昇格やプロジェクトへの条件として設定されていた場合、更なるキャリア向上が可能となります。
しかし、国家資格の中には取得難易度の高い資格があり、合格率10%台の資格試験が高い壁となる場合があります。しかし、1度目で資格を取得できなかった際に一部試験の免除といった、資格の取得補助を行う制度も存在しています。
これらのIT系国家資格を取得すれば、自身のスキルや知識が向上することは間違いありません。資格取得に迷っている方は、これを機にぜひ挑戦してみて下さい。

IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。
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