【日系企業初！】三菱電機、脱炭素に貢献する鉄道車両用空調装置をドイツで受注｜IoTBiz

【日系企業初！】三菱電機、脱炭素に貢献する鉄道車両用空調装置をドイツで受注

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2024-09-30

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この記事では、三菱電機株式会社の鉄道車両用R290空調装置を紹介しています。

三菱電機、脱炭素社会の実現に向けた一歩を発表
三菱電機株式会社は、イタリアの子会社Mitsubishi Electric Klimat Tranportation Systems S.p.A.（MEKT）が、ドイツのSiemens Mobility GmbHから、ミュンヘンの近郊鉄道「S-Bahn」の新型車両向けに自然冷媒R290（プロパン）を使用した鉄道車両用空調装置1,350台を受注したと発表しました。R290を使用した鉄道車両用空調装置の受注は、日系企業として初めての事例です。

受注の背景
ミュンヘン近郊に導入予定のS-Bahn車両は、ドイツ鉄道の子会社DB Regio AGと公共企業体Bayerische Eisenbahngesellschaft mbH（BEG）が発注元となり、Siemens Mobilityが供給します。この新型車両は、乗客数の増加に対応するための輸送能力向上や、消費電力の削減、保守費用の抑制など、最新技術を取り入れたものとなります。その一環として、環境負荷の少ない冷媒を採用した空調装置も導入されることが決定しました。
現在、鉄道車両用の冷媒としては、R407CやR134aなどの代替フロンが一般的ですが、これらは地球温暖化への影響が大きいとされます。そのため、GWP（地球温暖化係数）が低いR290が注目されています。しかし、R290は燃焼性があるため、安全対策が重要です。MEKTは、この課題をクリアする設計を行い、Siemens Mobilityからの受注に成功しました。

鉄道車両用R290空調装置の特徴

環境負荷の軽減と省エネ性能の向上
- 自然由来の冷媒R290（GWP: 0.02）を使用し、従来の冷媒であるR407C（GWP: 1774）やR134a（GWP: 1430）と比較して、GWPを約8万分の1に削減。
- 代替候補のCO2冷媒（GWP: 1）に比べて高いエネルギー効率を持ち、電力消費の抑制にも貢献。
安全性の確保
- 複数の小型冷凍サイクルを搭載し、1回路あたりの冷媒量を制限。これにより、燃焼性を低減し安全性を向上。
- 室内機の配管に繋ぎ目のない構造を採用し、万が一の漏洩時にも冷媒が客室内に広がるのを防止。

今後の展望
三菱電機グループは、サステナビリティを経営の中核に据えており、今回の受注を機に、欧州をはじめとした国内外で鉄道車両用R290空調装置の普及を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献していく考えです。
(参考）日系企業初、ドイツ向けに自然冷媒R290を使用した鉄道車両用空調装置を受注