クラウドSIM(クラウドWiFi)の仕組みとは?メリットやデメリット、おすすめも紹介
クラウドSIM(クラウドWiFi)の仕組みとは?メリットやデメリット、おすすめも紹介
通信各社が多種多様な格安SIMプランの提供が激しくなったことで、「au」「docomo」「Softbank」大手3大キャリア以外の会社を選択することも一般的になってきました。 近年は、新しい「クラウドSIM」という技術も誕生したことで、通信各社の動向も注目を集めています。 しかし、「クラウドSIM(クラウドWiFI)」とはどのようなもので、どんなメリット・デメリットがあるのか知らない方は多いのではないでしょうか? この記事では、今後注目される「クラウドSIM(クラウドWiFI)」の選び方と、概念が似ているようにも見えるeSIMとの違い、おすすめの「クラウドSIM(クラウドWiFI)」を解説します。
目次
クラウドSIM(クラウドWiFi)とは?
私たちが普段利用している従来のモバイルルーターは、物理データSIMを挿入して通信します。
具体的には、Softbank回線の通信データSIMが機器に挿入されてるとSoftbank LTE通信だけが利用可能です。
対してクラウドSIMは物理データSIMを利用せず、クラウド上からSIMカード情報をダウンロードして利用します。
クラウドのSIMサーバーには、「Softbank」「docomo」「au」のSIM情報が集められており、クラウドWiFiルーターは、クラウドにアクセスして最適な回線情報を自動的にダウンロードして通信が可能です。
以下は、クラウドWiFiルーターで通信する流れとなります。
(1)端末が位置情報を専用SIMサーバーに通知
(2)位置情報に基づいてキャリア回線が自動的に選択
(3)選択されたキャリアのSIM情報をルーター端末に送信
(4)受信したSIMのキャリア電波をキャッチして通信開始
近年は、「クラウドSIM」と「物理SIM」を両方利用できるWiFIサービスも誕生しており、注目を集めています。
クラウドSIM(クラウドWiFi)が人気な理由
クラウド上に保管されているSIMの中から最適なものを選択して利用する「クラウドSIM」が、なぜ人気なのでしょうか?
具体的なものをピックアップして解説します。
SIMカード不要で3キャリアの回線から最適な回線に繋がる
「au」「Softbank」「docomo」などの各通信キャリアは、回線ごとに強みが違います。
ある場所では「auは繋がるが、docomo・Softbankは繋がらない」といった現象は決して珍しいことではありません。
クラウドSIMを活用することで、あらゆる場所で接続を試みようとした場合でも、自動的に繋がりやすいSIMをインストールして通信を開始するため、常に最適な通信環境を構築できる点がメリットです。
海外でもそのまま利用できる
クラウドサーバー上に海外のSIMなどが登録されていれば、海外にクラウドSIM対応WiFiを持ち込んでもそのまま使える可能性が高いです。(通信事業者によって海外利用分は別料金の可能性あり)
日本で提供されているクラウドWiFIサービスによって、実際に利用できる国と地域は異なりますが、ほとんどのクラウドWiFiが世界100カ国以上でそのまま使えるようになっています。
データ大容量にもかかわらず月額が安価
日本で提供されているクラウドWiFiサービスの多くは、毎月利用できるデータ量が50GB・100GBなどの大容量です。
大容量であるにもかかわらず月額料金は3,000〜4,000円台と費用対効果も高いため人気となっています。
具体例として人気のクラウドWiFIサービス「hi-ho Let’s WiFi」の概要は以下の通りです。
【hi-ho Let’s WiFI】
契約期間:2年
下り平均速度;15.59Mbps
事務手数料:3,300円(キャンペーン時は無料)
端末手数料:0円
月額料金:1年未満の利用は3,278円、それ以降は4,730円
利用データ量:1日7GBまで、月間210GB
※通常プランの場合
ただし、2020年の春頃に各通信会社が「通信無制限を撤廃」しているため、データ容量制限があることは押さえておきましょう。
クラウドSIM(クラウドWiFi)のメリット
ここまではクラウドSIMが近年、人気である理由について解説してきました。
一般的に利用されている物理SIMと比較してクラウドSIM(クラウドWiFi)を利用するとどのようなメリットが得られるか知りたい方も多いのではないでしょうか?
次に、クラウドSIM(クラウドWiFi)を利用するメリットを解説します。
LTE回線利用で対応エリアが広い
日本におけるクラウドSIMでは「docomo」「au」「softbank」で利用されているLTE回線が採用されています。3 大キャリアにおけるLTEの人口カバー率は99.9%と言われており、「地下鉄」「室内」「田舎」「山間部」などでも通信エリアとしてカバーされているのが嬉しいポイントと言えるでしょう。
月額料金が安め
3大キャリアのWiFiの場合は実店舗も全国に点在しているため手厚いサポートを受けられますが、容量が少ない上に金額が高いため、月額料金が高くなりがちです。
クラウドWiFiの場合、自分の使い方によって多数のプランから選択することが可能であり、20GB程度の低容量の場合で、2,000円以下のプランなどもあり、金銭的にも使いやすい点が強みと言えます。
具体的なクラウドWIFIサービスを挙げると、「ZEUS WiFi」の「ギガ並盛 30GB」では、30GBの低容量で、キャンペーン適用外となる25ヶ月目以降も月額2,508円で利用できます。
大容量プランが多い
低容量プランで料金を抑えることもできる他、大容量プランも多種多様な選択肢があり、自分にあったプランを選べます。
具体的に100GBのデータ容量は、「音楽25,000曲前後」「動画およそ150時間程度」と通常利用で使い切るには難しいレベルのデータ容量です。
自宅のインターネット回線としても十分に機能する点も、コストパフォーマンスなどを加味しても大きなメリットと言えるでしょう。
クラウドSIM(クラウドWiFi)のデメリットと注意点
3大キャリアのSIMを切り替えながら最適な通信環境を実現する「クラウドSIM」はメリットだらけに見えますが、実際に契約する上で押さえておきたいデメリット・注意点があります。
代表的なものを紹介しますので、参考にしてみて下さい。
利用するキャリアの電波を選べない
「au」「docomo」「Softbank」の3大キャリア回線が適切に切り替わることをお伝えしましたが、これらの回線はユーザー側で自由に切り替えることはできません。
あくまでクラウドSIM側で自動選択されるため、電波が悪い場合に、必ずよく繋がる通信回線に切り替わる訳ではないことを頭に入れておきましょう。
通信障害などのトラブルが発生する
クラウドWiFiでは過去に通信障害などのトラブルが発生しています。
具体的に、「完全無制限プラン」を打ち出したことで申込みが殺到、利用するユーザー想定をはるかに超えた通信が発生したことで、回線がパンクする事態が起こったのです。
実際に、以下の「完全無制限」を打ち出したサービスで通信トラブルが発生しており、「新規申込み停止」「プラン変更」等の対応がされています。
・どんなときもWiFi
・限界突破WiFi
・よくばりWiFi
近年は、「完全無制限」プランが撤廃されて、各社通信制限が掛けられているため、通信障害トラブル発生の可能性は低いです。
ただ、新しい技術でもあり絶対にトラブルが起きないとは断言できないため、少しでも不安があるなら物理SIMを利用したWiFiを利用しましょう。
通常のポケットWiFiと比較して最大通信速度が劣る
クラウドSIMのモバイルルーターは一般的なポケット型WiFiと比較すると通信速度が劣る場合が多いです。
以下で「通常のポケット型WiFi」と「クラウドSIM型のポケット型WiFi」を比較します。
[通常のポケット型WiFi]
■docomo ポケットWiFI(Wi-Fi STATION SH-54C)
受信時速度:1.7Gbps
(受信時最大速度:4.9Gbps)
送信時速度:1.1Gbps
[クラウドSIM型のポケット型WiFi]
■THE WiFi(Glabalnet NA01)
受信時最高速度:150Mbps
送信時最高速度:50Mbos
上記を見ると、クラウドSIM型のポケットWiFiは速度が遅いです。
また最大通信速度とは「理論的に出せる最大通信速度」であり、全ての条件が最高である場合にしか出ません。
そのため、通常利用時の場合THE WiFiの受信・送信最大速度はほとんど出ないことも頭に入れておきましょう。
クラウドSIM(クラウドWiFi)の選び方
実際にクラウドSIM(クラウドWiFI)のメリット・デメリットを理解した上で、新しく利用を検討している方もサービスの種類が多いことから、どのような基準で自分に合ったサービスを選べば良いか分からない方も多いです。
次に、クラウドSIM(クラウドWiFi)の選び方を見ていきましょう。
月額料金が安いものを選ぶ
毎月無理のない範囲で継続して続けるためには「月額料金が安い」サービスを選びましょう。具体的には月額4,000円(税込)を超えない程度が継続しやすいでしょう。
以下は月額料金が安いことで評判の「ZEUS WiFi」の例です。
[ZEUS WiFi]
・ギガ並盛 30GB
25ヶ月目以降:2,508円(税込)
・ギガ大盛 50GB
25ヶ月目以降:3,278円(税込)
・ギガ特盛 100GB
25ヶ月目以降:3,828円(税込)
ちなみに、月額が高いとされている「グローカルネット」では、1日5GBまで使えるプランが月額4,378円(税込)です。
オーバースペックで契約してしまうと利用できるデータ容量を持て余してしまい、高い月額料金を支払うことになるため、自分に合ったデータ量と月額料金をチェックすることが求められます。
最新端末があるものを選ぶ
クラウドSIMのサービスに満足していても、WiFi端末の「操作性」「充電時間」などに不満があると満足して利用できません。
最新機種であるほど、「操作性」「充電時間」などの端末性能が向上しているため、選ぶためのポイントとして頭に入れておきましょう。
海外利用料金が安いものを選ぶ
海外での利用を検討している方は、海外料金が安いものを選択しましょう。
日本で利用する上での通信料金・速度などは大きな差はありませんが、クラウドWiFi各社で「海外利用」に力を入れている会社・入れていない会社の差は明確にあります。
具体例として「Mugen WiFi」では海外利用料金が1日1200〜1600円であるのに対して、「ZEUS WiFi」を韓国で1日利用する(1日300Mプラン)場合には、330円です。
何となくでサービスを選んでしまうと海外利用の場合に、大きな差となるため気をつけましょう。
クラウドSIM(クラウドWiFi)とeSIMの違い
クラウドSIMとeSIMは、どちらも物理SIMが不要であることから、同じものと勘違いされますが、実際には全く違うものです。
■クラウドSIM
クラウドサーバーが契約している回線のSIM情報を利用して通信する
■eSIM
端末に埋め込まれたSIMに、契約したキャリア情報(プロファイル)を書き込んで通信する
海外で利用することも可能ですが、クラウドSIMは契約しているクラウドSIM業者が設定している料金を支払います。eSIMの場合は、キャリアが定める料金プランを契約するため、海外利用時の料金は全く異なってくるのです。
どちらもオンラインで完結できる仕組みではありますが、通信ルールなどは全く違うことを頭に入れましょう。
おすすめのクラウドSIM(クラウドWiFi)3選
クラウドSIMの選び方を知り、どのような基準でサービスをチョイスすべきか理解できたものの、実際に契約したサービスよりも良いサービスがあることを知らずに後悔してしまうこともあるでしょう。
最後に、おすすめのクラウドSIM(クラウドWiFi)を3つピックアップして紹介します。
MONSTER MOBILE
■特徴
・2年契約 20GB 1,980円(税込)と低価格
・使い過ぎたらギガを追加購入可能
・機器レンタル代金無料
■契約プラン
(2年契約プラン)
・20GB 1,980円(税込)
・50GB 2,530円(税込)
・100GB 2,948円(税込)
(縛りなしプラン)
・20GB 2,640円(税込)
・50GB 3,190円(税込)
・100GB 3,938円(税込)
2年で契約することで毎月の通信量負担が安価になるプランを用意しており、縛りなしプランでも20GBで2,640円(税込)と低価格である点はおすすめです。
通信量をアップする手続きは柔軟に可能であり、ギガが足りない場合はその日だけデータを追加できるサービスも利用できます。
端末は、長時間利用可能な大容量バッテリーと表示画面の見やすさも大幅に改善された「Macaroon SE」を採用。コストパフォーマンスを含めたトータルバランスを重視したい方におすすめです。
クラウドWiFi
■特徴
・最大10台まで同時接続可能
・解約違約金0円/契約期間の縛りなし
・世界134カ国に対応
■料金プラン
20GBプラン:2,580円(税込)
50GBプラン:2,980円(税込)
100GBプラン:3,718円(税込)
契約期間の縛りなしで、サービスが気に入らなければ乗り換えも簡単に可能です。通信プランの容量は20GB・50GB・100GBの3パターンから選択可能であり、端末故障・水没・紛失・盗難が起きた時の「端末保障」も付加できます。
世界134カ国に対応している他、最大で10台まで同時接続できるため自宅のネット環境としても十分に活躍する点も強みです。
ChatWiFi
■特徴
・SIMプラン/ルータープランから選択可能
・田舎/地下でも電波が入る「プラチナバンド対応」
・最短翌日発送ですぐに使える
■料金プラン
(ルータープラン)
20GB;月額2,280円(税込)
50GB:月額2,600円(税込)
200GB:月額4,690円(税込)
(SIMプラン)
20GB:月額2,100円(税込)
50GB:月額3,180円(税込)
100GB:月額3,278円(税込)
SIMプランなら業界でもトップクラスの低料金を実現しており、20GB/50GB/100GBの3コースから自分に合ったものを選ぶこともできます。
田舎/地下でも電波が入るプラチナバンドにも対応しており、満足度の高い通信環境を実現。解約金縛りなしで契約できる点も強みです。
既にWiFi端末を所有しており、SIMだけを高品質なサービスで契約したい方におすすめとなります。
まとめ
この記事ではクラウドSIM(クラウドWiFi)の概要からメリット・デメリットの他、クラウドSIMの選び方、おすすめのクラウドSIMサービスまでを総合的に解説してきました。
各通信会社が多種多様なサービスを提供しているため、「どのような用途でWiFiを使用したいか」などを分析した上で、適切なサービスを選択することが大切です。
IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。 DXHUB株式会社 https://dxhub.co.jp/ 京都本社 〒600-8815 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93番地KRP6号館2F 東京オフィス 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-25-5 BIZ SMART代々木 307号室
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