楽天モバイルがIoT市場へ積極展開、MVNO法人契約が増加する背景
楽天モバイルがIoT市場へ積極展開、MVNO法人契約が増加する背景

この記事では、MVNO法人契約が増加する背景と楽天モバイルのIoT市場への積極参入についてわかりやすく簡潔に紹介しています。
現在、MVNO(仮想移動体通信事業者)は、MNO(移動体通信事業者)から回線を借りて通信サービスを提供する形態として、法人契約の割合が急上昇しています。これは、NTTドコモなどのMNOが低料金プランを提供し、個人向けMVNO契約が伸び悩んでいる一方、IoT(Internet of Things)デバイス向けの契約が増加しているためです。特に、第5世代通信(5G)の普及を受けて、大容量データの高速通信に対応する法人サービスの契約数を増やすことが重要とされています。
MVNO業界の最大手であるインターネットイニシアティブ(IIJ)は、法人向け携帯通信(法人モバイル)の契約数が2023年8月に200万回線を突破しました。IIJのMVNO事業部長、小野大典氏は、この成長の要因として、子供用の監視端末、道路や河川、工場の生産ラインの状況を監視するカメラなど、IoTデバイス向けの契約が増加していることを挙げています。
一方で、IIJの個人向け携帯通信プラン「IIJmio(ミオ)」の契約数は前年同月比でわずか6.8%増の120万3,000回線にとどまり、MVNO大手のオプテージの「mineo(マイネオ)」も、同期の契約件数はわずか4%増の約126万件という成長率にとどまっています。
通信料金の値下げ要請に応じ、MNOのドコモやKDDIなどは2021年からオンラインで割安な料金プランを提供しました。これにより、MVNOが持っていた価格競争力が低下し、成長が鈍化しています。
しかし、IIJの法人モバイル事業の契約回線数は前年同月比で30%以上増加しており、オプテージもIoTデバイス向けなどの需要が増加しています。これにより、MVNO各社で法人契約の重要性が高まっています。
市場調査会社のMM総研によれば、MVNOが提供する独自サービス型SIMの契約数は、2025年3月末までに1710万回線に増加し、そのうち約49.4%がIoTデバイス向け契約であると予測されています。
IIJの小野部長は、5Gの特性を生かして多数のデバイスを同時に接続し、低遅延通信を実現する法人向けサービスをさらに強化する意向を示しています。ただし、楽天モバイルなどの新興MVNOもIoTデバイス向けなどの法人契約を積極的に獲得し、低料金だけでなく、顧客企業の要望に柔軟に対応できるサービスを提供する必要があるでしょう。
(参考)楽天モバイルがIoT向け本腰、MVNO法人契約好調でも求められる体制|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。
関連記事

ニュース
AI
DX
この記事では、外観検査AIソリューション「MENOU」が株式会社グッドスマイルカンパニーのフィギュア製造工場で導入された件について紹介しています。
2025-05-23
2min

ニュース
DX
AI
この記事では、鉄建建設株式会社とMODE, Incが共同で行った高速道路リニューアルプロジェクトにおけるAIを活用した実証実験について紹介しています。
2025-05-23
1min

AI
DX
ニュース
この記事では、NTTコムウェア株式会社は、国立大学法人長崎大学、株式会社溝田設計事務所、公益財団法人長崎県建設技術研究センターが連携し実施した橋梁診断支援の実証実験について紹介しています。
2025-05-23
2min