防犯カメラの種類や選び方、機能を総まとめ!
防犯カメラの種類や選び方、機能を総まとめ!

防犯カメラは屋内用や屋外用など、多岐にわたるタイプが存在し、その選択は使用目的に合わせて行うべきです。さらに、ネットワークカメラやウェブカメラを含む防犯カメラのテクノロジーは日々進化しています。防犯カメラの多様な種類について理解するため、この記事では選び方のポイントから、さまざまなカメラ種類を詳しく紹介します。
目次
防犯カメラの選び方のポイント
防犯カメラを選ぶ際、いくつかのポイントがありますが、ここでは簡単に7つのポイントから選ぶ方法を紹介します。
①予算に合わせて選ぶ
②設置場所に合わせて選ぶ
③設置環境に合わせて選ぶ
④画質や画素数で選ぶ
⑤防犯性とデザインで選ぶ
⑥カメラの設置数に合わせて選ぶ
⑦ネットワーク(Wi-Fi)環境に合わせて選ぶ
①予算に合わせて選ぶ
防犯カメラの選択にあたり、最初に予算を明確に設定しましょう。
予算に応じて、さまざまな種類のカメラから最適なものを選択することができます。室内の監視に焦点を当てるのであれば、見守りカメラがコスト効率の高い選択となります。しかし、屋外のセキュリティに焦点を当てる場合、価格の幅が大きいため、通常の防犯カメラを検討することが賢明です。
②設置場所に合わせて選ぶ
防犯カメラの設置場所は選択において非常に重要です。設置場所に応じて、最適なカメラの種類を選びましょう。
屋外に設置する場合、防塵防水性能(IP66以上)を持つカメラが必要です。外部電源が利用できない場合、ソーラー充電カメラは実用的な選択です。屋内の設置を考える場合、追跡機能を備えたカメラがおすすめです。
③設置環境に合わせて選ぶ
防犯カメラカメラの設置場所の気温に応じて、適切なカメラを選びましょう。
寒冷地や高温環境でのカメラ設置には、温度センサーを備えたカメラを選択することが重要です。温度調整機能が故障を予防し、カメラの正常な動作を保つのに役立ちます。
④画質や画素数で選ぶ
画素数は映像の鮮明さに直結しますが、データ通信量の増加につながります。用途に合わせて画素数を選び、映像遅延の問題を考慮しましょう。
⑤防犯性とデザインで選ぶ
カメラの形状は防犯性に影響を与えます。バレット型やボックス型のカメラは存在感があり、抑止力として機能します。一方、ドーム型のカメラは控えめなデザインで、周囲の視覚的な配慮が必要な場合に最適です。
⑥カメラの設置数に合わせて選ぶ
防犯カメラの設置場所や施設に応じて、必要なカメラの台数を計画しましょう。単一の場所で監視する場合、MicroSDカードに録画するカメラが選択肢です。複数のカメラが必要な場合、録画装置(NVR/DVR)のセットがコスト効率的です。
⑦ネットワーク(Wi-Fi)環境に合わせて選ぶ
ネットワーク(Wi-Fi)環境の有無に応じて、最適な防犯カメラを選択しましょう。ネットワーク環境がある場合は、ネットワークカメラ(IPカメラ)を選ぶことでデジタル信号を用いて映像データを転送できます。ネットワーク環境がない場合、AHD(アナログハイビジョン)などの専用回線を使用したカメラが選択肢の一つです。
【録画保存法別】防犯カメラの種類
防犯カメラの録画保存法別の種類を紹介します。
①「SDカード」タイプ
②「レコーダー」タイプ
③「クラウド」タイプ
これらの録画保存法の選択は、使用環境、コスト、録画時間、データの安全性などを考慮して行うべきです。
①「SDカード」タイプ
「SDカード」タイプの防犯カメラは、主に家庭用環境で利用されます。これらのカメラは通常、32GBから128GBの容量のSDカードを使用します。この選択肢は手頃な価格で購入でき、コンパクトで取り扱いが簡便です。しかし、録画時間は比較的短く(3日から1週間程度)、SDカードの寿命も短いため、定期的な交換が必要です。
・主に家庭用防犯カメラで使用される。
・一般的に32〜128GBの容量のSDカードを使用。
・手頃な価格で入手可能で、コンパクトに持ち運び可能。
・費用が低いが、録画時間が短く(3日から1週間)、寿命も短いため、頻繁な交換が必要。
②「レコーダー」タイプ
「レコーダー」タイプの防犯カメラは、映像の録画をカメラ本体ではなく、専用のレコーダーで行います。アナログカメラの場合、DVR(デジタルビデオレコーダー)が一般的で、同軸ケーブルを介してハードディスクに映像データを保存します。ネットワークカメラの場合、NVR(ネットワークビデオレコーダー)が使用され、LANを通じてハードディスクにデータを記録します。NVRは高品質な画像を提供し、録画内容の確認にレコーダーを操作することができます。ハードディスクの寿命は通常25,000〜35,000時間で、約3〜4年ごとに交換が必要となります。ハードディスク容量は通常1TBから20TB程度で、1TBの容量で約1か月分のデータを保存できます。
・防犯カメラの映像を本体ではなく専用のレコーダーに録画。
・アナログカメラの場合、DVR(デジタルビデオレコーダー)が使われ、同軸ケーブルでハードディスクに保存。
・ネットワークカメラの場合、NVR(ネットワークビデオレコーダー)が使用され、LAN経由でハードディスクに保存。
・NVRは画像が鮮明で、録画内容の確認にレコーダーを操作する。
・ハードディスクの寿命は25,000〜35,000時間で、3〜4年ごとの交換が必要。
・ハードディスク容量は1〜20TB程度で、1TBで約1か月分の保存が可能。
③「クラウド」タイプ
「クラウド」タイプの防犯カメラは、録画データをインターネット上のクラウドサーバーに保存する方法です。この方法は大規模なシステム障害が発生しない限りデータの損失を心配する必要がありません。利用者はスマートフォンやパソコンから専用アプリを通じてデータをダウンロードできます。ただし、クラウドサービスの利用料金がかかり、インターネット接続が必要です。
・インターネット上のクラウドサーバーを使用して録画データを保存。
・大規模なシステム障害がない限りデータの喪失の心配がない。
・スマートフォンやパソコンからアプリを通じてダウンロード可能。
・サービスの利用料とインターネット接続が必要。
【形状別】防犯カメラの種類
防犯カメラはその形状によって異なるタイプに分類されます。ここからは、ボックス型カメラ、ドーム型カメラ、そしてPTZカメラ(パン・チルト・ズームカメラ)の3つの主要な形状に焦点を当てて紹介します。
①ボックス型カメラ(筒型カメラ)
②ドーム型カメラ
③PTZカメラ(パン・チルト・ズームカメラ)
これらの形状にはそれぞれ特有の特徴があり、設置場所や使用目的に応じて選択することが重要です。
①ボックス型カメラ(筒型カメラ)
ボックス型カメラは四角い筒型の形状を持ち、一目で防犯カメラであることがわかります。このカメラは威嚇効果があり、防犯効果が高いとされています。固定されたエリアをピンポイントで撮影できるため、特定の場所の監視に非常に適しています。通常、ホームセキュリティや商業施設のセキュリティ対策に利用され、空き巣や不審者からの保護に貢献します。
・四角い筒型の形状で、一目で防犯カメラとわかる。
・威嚇効果があり、防犯効果が高い。
・固定されたエリアをピンポイントで撮影できるため、狙った場所の監視に適している。
・空き巣や不審者対策として利用される。
②ドーム型カメラ
ドーム型カメラは、そのレンズがドーム状のカプセルに収められており、丸いデザインが特徴です。この形状は威圧感がなく、建物の天井部分に設置されることが一般的です。照明器具に似た形状で、周囲の環境に違和感を与えずになじみます。このため、顧客が行き交う店舗や公共の場所、あるいは屋内の監視に適しています。
・レンズがドーム状のカプセルに収められており、丸型のデザイン。
・威圧感がなく、建物の天井部分に設置されることが一般的。
・照明器具に似た形状で空間になじみやすく、違和感を与えない。
・顧客が行き交う店舗などで屋内設置向けの防犯カメラとして利用される。
③PTZカメラ(パン・チルト・ズームカメラ)
PTZカメラは、カメラのレンズを左右や上下に動かし、映像を拡大または縮小できる高機能カメラです。ドーム型の形状を持ち、レンズはカプセルに収納されています。このカメラは遠隔操作が可能で、広い範囲を監視するのに適しています。商業施設、公共機関、工場などで広範な監視が必要な場所で利用されます。一方で、遠隔操作にはタイムラグが生じることや高価であること、そして連続撮影に制限があるといったデメリットも考慮する必要があります。
・カメラレンズを左右や上下に動かすことができ、映像を拡大・縮小できる高機能カメラ。
・ドーム型の形状で、レンズはカプセルに収められている。
・遠隔操作可能で、広い範囲を監視できる。
・商業施設、公共機関、工場などで導入され、広範囲な撮影が必要な場所で利用可能。
・遠隔操作のメリットがあるが、タイムラグや高価格、連続撮影の制限などデメリットも存在する。
【機能別】防犯カメラの種類
最後は、防犯カメラの機能を10種類紹介します。
①赤外線機能
②防犯ライト
③マイク内蔵
④デジタルタイムコード埋込機能
⑤360°防犯カメラ
⑥防滴・防水・防塵性能
⑦モーション検出
⑧ワイヤレス接続
⑨スマートフォン連携・遠隔監視・制御
⑩防犯アラーム連動
これらの機能選びは、防犯カメラ導入の目的に合わせて選択しましょう。
①赤外線機能
赤外線機能を備えた防犯カメラは、暗い環境でも映像を撮影できます。これは特に夜間の監視に有用で、赤外線センサーと連動して、人の存在を検出し、自動的に撮影を開始します。また、コスト効率が高く、必要なときだけ作動するため、省エネな選択肢となります。
②防犯ライト
防犯カメラが同時に防犯ライト(防犯灯)の役割を果たすことがあります。夜間には防犯カメラとしてだけでなく、周囲を照らす街灯の役割を果たし、明るい映像を提供します。これは夜間の犯罪捜査に役立ち、昼夜間で明るい映像を提供することができます。
③マイク内蔵
マイク内蔵の防犯カメラは、周囲の音声を録音できるため、音声の重要性が高い場面に適しています。これにより、リアルタイムで音声と映像を視聴でき、監視対象に声をかけたり、異常な音声を検知するのに役立ちます。ただし、高性能のマイクを使用する場合、周囲の雑音に注意が必要です。
④デジタルタイムコード埋込機能
デジタルタイムコード埋込機能を備えた防犯カメラは、映像と音声を正確に同期させることができます。この機能は、映像と音声が一致している必要がある場面で役立ちます。例えば、映像の時間情報と音声の記録が一致していることが重要な証拠となる場合に使用されます。
⑤360°防犯カメラ
360°防犯カメラは、周囲全体を録画できるカメラです。1台で広範囲の撮影が可能で、設置コストを抑えられます。これは特に広いエリアの監視に向いており、スマートな外観で多様な用途に利用できます。
⑥防滴・防水・防塵性能
防滴、防水、防塵性能を備えた防犯カメラは、厳しい環境での設置に適しています。これらのカメラは水滴、ほこり、粉塵からカメラを保護し、屋外設置に適しています。防水規格(例:IP66、IP67)を持つカメラは、水に対する耐性が高く、悪天候下でも信頼性があります。
⑦モーション検出
モーション検出機能を備えた防犯カメラは、モーションセンサーを活用して動きを検出し、録画を開始します。これにより、無駄な録画を防ぎつつ、異常な動きをキャッチすることができます。モーション検出は、侵入者や不審な活動の監視に役立ちます。
⑧ワイヤレス接続
ワイヤレス接続を使用する防犯カメラは、ケーブルを必要とせず、無線で映像を転送します。これはケーブルの設置が難しい場所での利用に適しており、設置が簡単でコスト効率が高い選択肢です。
⑨スマートフォン連携・遠隔監視・制御
スマートフォン連携を備えた防犯カメラは、スマートフォンアプリを通じて、遠隔から監視できます。さらに、通知機能を持ち、異常を検知した場合にユーザーにアラートを送信することができます。これにより、遠隔から監視し、状況をリアルタイムで把握できます。遠隔監視・制御機能を備えた防犯カメラは、インターネット経由でカメラを遠隔から監視し、操作できます。この機能により、カメラの角度調整や録画のオン/オフなどを遠隔から制御することができます。遠隔から監視し、カメラの設定を調整できるため、便利です。
⑩防犯アラーム連動
防犯カメラは、侵入検知などのアラームと連動することがあります。侵入者や異常な活動が検出されると、防犯カメラは警報を発し、セキュリティ対策を強化します。これは緊急時の対応を強化し、セキュリティを向上させるのに役立ちます。
まとめ
防犯カメラの技術は絶えず進化しており、屋内、屋外、夜間など、異なる状況に対応するための多彩な機能が追加されたカメラが次々に登場しています。防犯カメラを最大限に活用するためには、設置の目的、場所、時間に合わせて最適なカメラを選ぶことが非常に重要です。
将来的に防犯カメラを導入する予定がある場合、この記事を参考にし、特定の仕様や用途に適合する防犯カメラを選ぶことをおすすめいたします。

IoTBiz編集部
2015年から通信・SIM・IoT関連の事業を手掛けるDXHUB株式会社のビジネスを加速させるIoTメディア「IoTBiz」編集部です。 DXHUB株式会社 https://dxhub.co.jp/ 京都本社 〒600-8815 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93番地KRP6号館2F 東京オフィス 〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-25-5 BIZ SMART代々木 307号室
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